ばね指の発症のピークは50〜６０歳代で手の指の腱や腱鞘が炎症を引き起こし、正常な滑走が阻害されることで指が引っかかるような状態になる症状です。多くの場合、指を曲げ伸ばしする際に「カチッ」と音が鳴る、あるいは指が突然ロックされるといった現象が見られます。これにより普段の動作が制限され、日常生活に支障が出ることもあります。

ばね指は、手の腱が通るトンネルが炎症や肥厚で狭くなり、指の伸び縮みに引っかかりや痛みを生じます。

手技療法では狭くなった腱のトンネルを広げ、腱の滑りを改善するために手首や指の関節、そして前腕の筋肉を丁寧にほぐし腱鞘の圧迫を緩和するために整体を行います。これにより血流の改善とともに神経の圧迫が軽減される効果が期待できます。

具体的な施術内容

整体・・・骨格の歪みや関節の位置のズレを整えることで、筋肉にかかっている無駄な緊張を取り除き筋肉の緩みを出します。

指圧、マッサージ・・・前腕の屈筋群の筋緊張、屈筋腱と腱鞘の癒着を解消するために専門のスタッフが適切な圧、１mm単位でのコリを見極め筋肉を緩めていきます。

鍼治療では痛みのピンポイント部分に直接アプローチできるため、圧迫されている神経の周囲の血流を促進し、炎症を和らげる効果があります。

ばね指では手のひらや前腕の屈筋群の硬結部位に直接刺激を入れることによって血行を促進し筋肉の緩みをだすことが期待できます。

ドケルバン病は母子の屈筋ではなく伸筋群が橈骨形状突起部を通過する腱鞘で滑走障害を起こす疾患です。患部は手首の橈側に痛みと腫脹が起き母指を内側に握り込むと痛みが増強するフィンケルシュタインテストが陽性になります。ばね指とは異なり主に手首付近の痛みが出ます。

デュプイトラン拘縮は掌腱膜の繊維化・索状肥厚により指が徐々に屈曲拘縮していく疾患です。ばね指のような「引っかかり動作」ではなく手のひらに硬い索状結合組織ができ進行すると自力での伸展が不可能になります。好発部位として環指・小指で中高年に多く、アルコールの多飲、糖尿病との関連も指摘されます。