甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが十分に作られない・分泌されないことによって全身の代謝機能が低下する病気です。進行はゆっくりで初期は気付かれにくいですが、放置していると普段通りの日常生活がしんどくなってきます。症状がゆっくり進行するため、年齢や生活習慣のせいと誤認されやすい点が特徴です。

• 橋本病

最も多い原因。免疫が甲状腺を誤って攻撃し、機能が低下する慢性疾患です。

• 手術後（甲状腺の摘出など）
• 放射線治療の影響
• 薬剤性（リチウム、アミオダロンなど）

下垂体や視床下部の異常でTSHが分泌されず、甲状腺が刺激されない状態のことをいいます。

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になります。不足していても過剰でもバランスが崩れます。

※橋本病の場合はヨウ素を摂取することは避けましょう。

生まれつき甲状腺の発育が不十分である場合。

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態を指します。ホルモンが多くなることで代謝が異常に高まり体のエネルギーの消費が速く、何もしなくても痩せてしまったり、動悸や息切れなどの症状が現れます。自己免疫が原因で甲状腺を刺激する抗体ができ、ホルモンが過剰に分泌されるのが「バセドウ病」です。特に若い女性に多く、眼球突出などの症状も伴うことがあります。

最も一般的な原因です。自己免疫疾患の一種で、免疫系が甲状腺を刺激してホルモンを過剰に作らせてしまいます。若年〜中年の女性に多い病気とされています。

一時的に甲状腺からホルモンが過剰に放出されている状態のことをいいます。多くは自己免疫性（出産後の女性に多い）で亜急性の場合はウイルス感染後に起こることがあります。一過性で自然に治ることが多い病気です。

ホルモン薬（チラージンなど）の過剰摂取やサプリメントや漢方薬に甲状腺成分が含まれていたケースもあります。服用する前に成分表を確認し調べることや、医師に相談することが一つの予防ともいえます。

甲状腺ホルモンは身体と心の“エネルギー源”ともいえる重要な存在です。小さな不調も「気のせい」とせず、身体の声に耳を傾けてください。甲状腺ホルモンの乱れは、自律神経のバランスを大きく崩します。このような症状がいくつも当てはまる方は一度、内科に受診し血液検査をお勧めします。

• 不安感やうつ状態／睡眠障害
• 食欲不振や過食
• 血圧や脈拍の不安定
• 頭痛／肩こり／冷え
• めまい／耳鳴り
• 不妊